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パワハラの基礎知識

 

上司等から罵詈雑言を浴びせられても、「ああ、これも給料の内・・・我慢、我慢」と、自分の中で無理やり納得させられる。しかし本当に全てそれで良いのでしょうか?今から思えば疑問に思えることは多々あります。ここでも取り上げている「パワハラ」なるものが、市民権を得たのはまだ最近のことなのです。それまでは諦めたり、無き寝入りしたり、やむを得ず自主退社をしたりするケースが殆どだったのではないでしょうか?

 

「パワハラ」とは一体どのようなものなのでしょうか?

 

「パワハラ」とは?・・・「パワーハラスメント」という言葉自体は和製英語です。

業務上の職権等を背景として、本来の業務の範疇を超えて、継続的に人格と尊厳を侵害する言動を行い、就業者の働く関係を悪化させ、あるいは雇用不安を与えること・・・をいいます。

 社の中の上司と部下という関係は、あくまでも雇用契約上の関係にすぎません。個人同士の関係の上下、ましてや人間としての上下とは全く無関係です。

【注意】業務の遂行や教育の為に必要で合理的な範囲の指導、叱責は「パワハラ」にはあたりません。この「合理的で必要な範囲」を超えるかどうかがカギになります。

 

「パワハラ」はなぜ起こるのか?

 

ですが、会社内において、何時も命令している立場に人間は、このことを忘れがちなのです。あたかも自分自身が「身分」も「位」も上の立場と誤解して、部下に対して自分の価値観を強要したり、人格否定をしたりといった、業務の範疇を逸脱した命令をする場合があり、これが「パワハラ」の原因となるのです。 

私の経験上、パワハラを起こしやすい傾向にあるタイプの上司には、以下の2パターンあるように思います。

 

 

 その① 自分の管轄する職場の全てを把握していないと気が済まないタイプ 

いわゆる「自称リーダーシップが強い」タイプですね。こういったタイプは好き嫌いが激しいことが往々にしてあり、一部の気に食わない部下を集中攻撃しやすい傾向にあります。勿論独善者である事も多く、自己の間違いに気がつきにくい危険性をはらんでいます。

 

その② 自分自身の自信の無さを、部下にあたることで隠そうとするタイプ

上記の場合とは全く逆で、上司には極めて弱く殆ど言いなりです。そんな自分の弱さ、自信の無さを隠す為に必要以上に部下に強くあたったり、自分の強い部分のみをことさら強調して攻撃してくるタイプです。勿論部下の弱みをほじくり返すのは常套手段です。

そうなのです!ここであらためて申し上げますが、職場における労働者に対する「いじめ、いやがらせ」=「パワハラ」は、基本的人権の侵害行為です。直接・間接の加害者、あるいは使用者の法的責任を追及することも可能です。場合によっては犯罪行為として責任を追及することも可能です。

何れの場合もされる側の労働者にとっては、想像に難い精神的苦痛と相当なストレスでしょう

 

「パワハラ」を法律によって解決する。・・・「内容証明郵便」の活用

解決する為の第一歩として、「雇い主」と、「加害者」に対し、問題提起と改善の申し入れをする必要があります。

 

対策:「雇い主」

「雇い主」には、雇用する労働者が仕事をするうえで、生命・健康を害することが無いように配慮する義務があります。また、労働者の働きやすい環境づくりに配慮する義務もあるのです。

当然、職場内に「パワハラ」が生じた場合、迅速かつ適切に対応する義務もあるのです。

【根拠法令】

・使用者責任:民法715条   ・職場環境配慮義務違反(債務不履行責任):民法415条

 

対策:「加害者」

例え会社の上司であろうとも、部下に対して基本的人権や、個人の法的利益を侵害する行為を加え、これにより何らかの損害、精神的苦痛を与えた場合は立派な犯罪になります。

労働者には労働者の人格的利益があります。仕事を与えない、雑用ばかり命じる、無視する・・このような労働者が自らの職務上の能力を発揮向上させる機会を奪うことは十分不法行為なのです。

【根拠法令】

・不法行為責任:民法709条  ・暴行:刑法204条  ・傷害:刑法208条

 

「内容証明郵便」の作成には、十分な法的知識と注意力が必要なのです。